私と吹矢
六段が語る「私とスポーツウエルネス吹矢」谷口 節夫 2022年3月1日
谷口 節夫
■吹矢との出会い
古希を機に空手の指導を引退。又飼育していた二匹の北海道犬が相次いで亡くなり47年間在籍していた北海道犬協会を退会。暇を持て余している平成25年1月、西広島タイムスにスポーツ吹矢の体験会が載っている事を家内が知らせてくれた。
以前テレビで原住民が吹矢で木の上の猿を落としたシーンが思い出され佐伯区の五日市公民館での広島西支部の体験会に参加した。50名の参加者で残ったのは13名いたと思う。2月3月4月と練習日は月2回13:30〜15:30の2時間、道具は支部の矢・筒は体験用にマウスピースを使用して行った。道具を注文しても「皆さんと一緒で」と受付けてもらえなかった。4月の終わりに広島西支部同好会に入会して、やっと吹矢道具一式注文を許された。自宅練習が出来るようにになった。大会に出るには協会に入会する必要があると言われ5月22日に入会「71歳」
■級・段位試験
2級平成25年6月7日 1級8月3日 初段位10月16日
二段位平成26年4月27日 三段位10月27日
四段位平成27年4月27日 五段10月27日
六段位資格認定1 平成28年10月27日
六段位 令和元年5月19日
最後の六段位取得が2回目の受験となったが、それまでは一発合格を続けた。危なかったのは最初の2級の試験時最後の矢が7点に入らなかったら不合格だった。
■広島宮島支部設立
平成29年4月 広島西支部から分離独立、
県内27番目の支部となる。宇吹県会長夫婦が本部からの認定書を持ってこられた。大変喜んでいただいた。感謝!!
■宇吹前県会長との出会い
二段位受験時当時県会長の宇吹夫妻が受験者7名以上いたので、五日市公民館まで足を運んでくだされた。帰り際納品の為に車に積んでいた宮島彫りの作品を見て頂いた。その時やよい支部に練習に来ないかと言われ即お願いしますと返事をした。初めてやよい支部を訪ねた時の感想、的が7個壁に取付けてあり左上の大きな横長の額に心技錬磨と書いてあり、額の下にこれまた大きな鏡が目に入った。公民館の練習場とまったく違う風景に圧倒された。若い頃から柔道・空手と習った自分は、此の所は吹矢の道場だと思った。凛とした空気の中鏡の前で基本動作から始まり、ラウンドが始まると吹き終わりから計算・矢ぬき・次のラウンドまでの動作の速いのに驚いた。最初の頃はいつも待ってもらっていた。西支部のモタモタ練習が身について、なかなかついて行けなかった。
8mで200点出した時「此の所で初めて」と喜んでいただいた。嬉しかった! この後六段位資格認定1まで通った。自分は何かとお世話になっている。今日自分があるのも宇吹さん夫妻のお陰である。
■県外大会に参加
入会した年1級取得後の平成25年 第5回香川県大会に参加、6m4ラウンド120点6位に入賞した。スポーツウエルネス吹矢大会の楽しさにはまり、県内はじめ中国・四国・大阪・京都・青柳杯まで参加した。この間沢山の友達が出来た。コロナ渦中励ましや情報が入って来る友は有難い。
■六段位への挑戦
平成29年協会本部が七段位設立、六段位は広島で受験出来ることになった。5月27受験した。開始時間13時を13時30分と間違える大失態を犯してしまった。13時15分開場への階段を一段二段と上がるとガラリと扉が開き「13時からよ」との声「30分からよ」と自分「違う」階段を駆け上がり一礼して入場、審査員3名と受験者2名シーンとしていた。急いで道具をセット。呼吸が合わない、目付位置が定まらない、緊張と合わせて頭の中はパニック状態で試矢5本31点「何とかなる」と思ったが?-ラウンド最初が1点・2本目3点終わった。あの頃200点前後はキープしており210点も出ていたので、六段合格の186点は楽勝と乗り込んだが時間の間違いという大きな落とし穴があった。もつれた糸をときほぐすように、あれやこれや納得いかない自分に自問自答しながら帰宅した。
その後六段位受験する気持ちは有りませんでした。しかし広島県は吹矢のレベルが低いと言われたと聞き、まだ恩返しが出来ていない自分に気付き、六段位取得もお世話になった恩返しの一つと思い令和元年5月ぎりぎりで申込みました。実技186点基本動作35点ぎりぎり合格しました。
■筒台
宮島彫53年の腕を活かし、メジャー優勝を夢見て制作しました。鯉が滝を昇り龍になり天空を舞う逸話から自分の姿を重ね合わせ、裏は鯉の滝昇り、表は龍が天空の宝珠(優勝)を見つめる様子を彫り、鹿の角を逆さまに取付け布掛木の頂上に、厳島神社の玉取祭の宝珠のレプリカに、穴を開けて矢をさしこめる様にしました。
コロナが終息して、皆様と吹矢が楽しめる日が来る事を願い80歳またまだ頑張ります。
2019スポーツウエルネス吹矢清盛オープン大会 優勝