私と吹矢
六段が語る「私とスポーツウエルネス吹矢」その3 2021年9月1日
宇吹 新次
師範・六段位・中国ブロック長
美しい基本動作を!!
?カルチャー教室の講師から
「美しい基本動作を身に着けて下さい」
「日本一と言われる基本動作が出来る様になりましょう」
とよく聞かされていた。
?よし、しっかりと基本動作を身に着けよう!
?マニュアルを読んで、自分なりに練習を重ねた。
?当時、正しい基本動作を全国に普及させていく目的の下、「基本動作奨励賞」というのが設けられ、大会時に表彰されていた時期があった。
?よし、青柳杯大会、全国大会に出場して「基本動作奨励賞」の受賞を目指そう、と思った。
?自身では出来ている、と思って参加するも、受賞出来ない。
どこが良くないのだろう?
自分ではわからない。
?そうだ、協会本部の教室に行って、協会の指導員に見てもらおう。
?指導員に見てもらうと、「見とれていました」と言われた。
こりゃあ、 ダメじゃ・・・
?そのとき、教室の担当事務をされていた方から、
「宇吹さん、筒をスライドさせながら筒を咥えられています、それをしてはいけないんです」と指摘していただいた。
?その後、「高橋健先生の第1回基本動作徹底講座」が「吹矢の宿ほっと」で開講される、という案内を会報で見た。
即、申し込んで受講した。
?2012年第6回青柳杯大会で、念願の「基本動作奨励賞」を受賞できた。
?その後、中国ブロックの副教育部長に任命され、基本動作講習会の講師を担当することに。等々あり、当時は自分なりに基本動作に自信を持っていた。
?青柳杯大会では、予選に勝ち残り、8名による決勝トーナメント戦に出たことがあった。
そこでは得点のみならず、基本動作点が採点される。
36点だった。
自信を持って臨んだのに、36点?
減点された個所はどこだ?
教えてもらえない。
自分では出来ている、と思っているのに、わからない。
?第1回の七段位試験を受けたときは、37点と告げられた。
1点の減点箇所は、吹き終わって礼をするときに、手が滑って筒の先端が床にコツっと、それで1点減点されたのかな? と思った。
他の減点2点の箇所は、どこかわからない。
審査員からは教えてもらえない。
最高段位を受験する人は「自身で見つけて直せ!」ということなのか?
得点力の低下!!
?2021年4月の平均得点は、185.2点だった。
六段位の基準点をも下回る状態である。
3月に行われた東広島大会では、180点しか出せなかった。
?なぜここまで不振が続くのか?
?改めて自身に問いかけた。
「お前は、吹矢の何がええんじゃ?」
「何が楽しくて15年も続けとるんじゃ?」
「吹矢と呼吸法」に興味を惹かれて、吹矢を始めた。
続けていくうちに吹矢の競技性に大きく魅せられていった。
?・仲間と得点を競い合う。
?・目標を持つ(得点力を高める、大会を目指す、昇段級位を等々)
?・みはら市民大学の吹矢講座で、新たな吹矢仲間が増えた。
??吹矢が楽しい、と続けていただいている。
??支部も作っていただいた。
??吹矢の仲間が増え、吹矢を楽しんでいただいている。
??これはすごく嬉しい!!
?・全国の吹矢仲間との交流が楽しい
??吹矢を通じて全国各地に友人、知人、仲間が出来た。
??吹矢友達がたくさん出来て、語り合う、技術を高め合う。
??これがとても楽しい。
?あの時、吹矢講座「吹矢と呼吸法」に申し込んでいなかったら、このような楽しさに出会うことは無かっただろう。
残りの人生がカウントできるようになった今、
あらためて、吹矢との出会いをありがたく思っている。
190点を超えて200点を目指す
?4月の平均得点は185.2点だ。
どうやって190点を超えるところに持っていくか?
皆さんだったらどうされますか?
ただ闇雲に練習量を増やすのか?
お前に出来るのか? 自問する。
自分には出来ない。
じゃあ、どうする?
迷ったら基本に帰れ!!
?吹矢の基本と言ったら、8つの基本動作だ。
前にも書いたが、基本動作はそれなりに自信を持っていた時期があった。
しかし、得点力が落ちたまま上がらない。
どうする?
?2018年11月に初の七段位に認定された、宮城県の及川さんに電話で相談した。
?点数が伸びず、悩んでいることを話すと、
「周りに基本動作を見てくれる人がいなかったら、動画に撮ってみたら」、とアドバイスをもらった。
?及川さんとは、2016年10月26日、山形県で開催された「第1回六魂大会」において順位決定戦に臨み、私は及川さんに敗れた。
その時以来の友人だ。
?山形の大会でのことだ。
休憩時間中に、熱心に女性会員に基本動作を指導されている所を目にした。基本動作を大切にされている方だなと、強く印象に残った。
?2021年3月には、ご自身の動画をスマホで送っていただいた。
自分とは違う。
身体全体指先まで、神経が行きわたっている。
身体はもちろん、筒先までほとんど動かない。
参った、完全に参った。
?自身の動画を撮ってみると、
えええッ?、こんなにひどい状態だったのか・・・
?その動画を及川さんに送信して、見てもらった。
出るは、出るは・・・次から次に細かい指摘事項が。
自分では気づかなかった、ダメな箇所が。
?それから1か月後に、再度、動画を送信して見てもらった。
自分では改善出来ている、と思っていたが、
?第一声、「立っている所だけはいいが、あとは全部ダメ!!」
「かっこ悪い!」・・・キビシイ!!
でも、すごくありがたい。
「スマホ画面では小さくてわかりづらいので、パソコンに入れて
大きな画面で見てみました」と細かくチェックしていただいた。
今は、指摘してもらった箇所を改善すべく取り組んでいる所である。
?もう一人は、静岡県の関野さん。
最初の出会いは、高橋健先生の「第一回基本動作徹底講座」。
第一回の講座を受講される方だから、基本動作に対する意識は高い。
関野さんは、基本動作は当然のことながら、吹矢用具に対する想いが強い方でもある。
「矢は、何ミリにカットしてる?」
「筒は、3連結? 1本筒?」
?宇吹の返答、
「矢は、何ミリかわからない。途中で抵抗なく下にストンと落ちれば」
「筒は、15年間3連結のみ、自宅では、14年前に買ったもの、支部練習では、10年前に買ったものを使っていますよ」
というと、
「筒を見直したらいかがですか?」
「今朝の練習で190点、別の筒に変えたら、200点でした」
「筒を変えて、10点の差が出ました」
「同じ矢を使って1本筒で試してみたらどうですか?」
等々いろいろアドバイスをもらえる。
?吹矢を通じて知り合えた友人。
いろいろアドバイス、刺激をもらえるありがたい友人だ。
?今は、とにかく基本を見直し、改善していく。
目指すは、
「美しく、かっこいい吹矢!!」
????得点力の追及はそのあとだ!!
【完】